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2004/10/20 コンパクトで高精度の立形スクロール加工機を新開発
-「第22回日本国際工作機械見本市」に3つの新商品を出展-


 トーヨーエイテック株式会社(本社 広島市南区、山本健一社長)は、エアコン用スクロール式コンプレッサーなどの渦巻き(スクロール)形状の羽根を有する円盤状の部品を高精度に加工する立形スクロール加工機「T-400SCV」を新たに開発、来年2月より販売を開始する予定である。

 今回開発した立形スクロール加工機は、機械の間口が1mを切るコンパクトなサイズでありながら、スクロール形状の羽根の輪郭を±5μmの精度で加工する高性能機である。さらに、従来の横型スクロール加工機に比べ電力消費量を50%、エアー消費量を65%削減するなど、環境にも配慮している。

 同社では、来る11月1日から11月8日まで東京ビッグサイトで開催される「第22回日本国際工作機械見本市」に、立形スクロール加工機のほか、11月から販売を開始するCNC内面研削盤「T-11JA」、ベアリングの内輪を2個重ねで同時に研削加工できるCNC内面研削盤 「T-11LA88」 の新商品をはじめ、エアーレス・高剛性ミーリングヘッドや高剛性・高出力ホイールヘッドなど技術力の高さを示すユニット類も出展する。
 
立形スクロール加工機
「T-400SCV」


〔第22回 日本国際工作機械見本市への出展物一覧〕
出展機 立形スクロール加工機 「T-400SCV」
CNC内面研削盤 「T-11JA」
CNC内面研削盤 「T-11LA88」 (2個重ね同時加工機)
ユニット エアーレス・高剛性ミーリングヘッド 「HAB01」シリーズ
高剛性・高出力ホイールヘッド 「HFD」シリーズ

〔出展機の概要〕
立形スクロール加工機 「T-400SCV」

 同社の横型スクロール加工機は、1990年の発売開始以来150台以上を販売しているベストセラー機である。今回開発したT-400SCVは、コンパクトなサイズを実現するために立形のレイアウトを採用。専用の2ヘッドスピンドルや高出力サーボモーターなどの搭載により、高速・高精度加工を実現している。

 対象となる加工物はスクロール式コンプレッサーで、ルームエアコンやカーエアコンのほか、給湯器などにも使用されている。T-400SCVは小型化が進むスクロール式コンプレッサーに対応するため、加工物のサイズを最小Φ20mmまで対応可能とした。加工物の最大サイズはΦ80mmであるが、オプションを選択すればΦ120mmまで対応可能。これにより、同社のスクロール加工機は、横型の2機種と合わせ合計3機種となる。また、T-400SCVをベースにした立形内面研削盤の開発も進めている。

省スペース:間口が980mmであり、1mを切るコンパクトなサイズとした。従来の横型スクロール加工機と比較して20%という省スペース化を実現している。
高速・高精度加工:横型スクロール加工機で好評を得ている、同社独自の切削点一定制御(ベッドの熱変形が発生しても加工誤差の出る方向を制御することで、輪郭精度を高める方法)を採用し、マシニングセンターでは困難な輪郭精度±5μmを達成している。これに加え、新設計のdn値200万・毎分4万回転とdn値180万・毎分4万5千回転の2ヘッドスピンドルを搭載、移動質量の軽減や高出力サーボモーターの採用による高追従性などにより、高速・高精度加工を実現した。
省エネ:スピンドルの潤滑方法を、従来のオイルミスト式からオイルエアー式に変更することで、エアー消費量を65%削減した。さらに、スピンドルアンプやサーボモーターを最適設計することなどにより、電力消費量を50%低減している。
容易な段取り・ローディング:C軸がローディング位置(機械正面の作業側)まで移動するため、段取りやローディングが容易である。


CNC内面研削盤 「T-11JA」
 T-11JAは9月に発表し、11月より発売を開始する高機能・多用途な汎用タイプの内面研削盤である。9月に開催されたシカゴショーに出展し米国では既に公開したが、日本での公開は今回の日本国際工作機械見本市が初めてとなる。既に多くの引合いがあり、好調なスタートを切っている。

CNC内面研削盤 「T-11JA」

T-11JAの主な特長は以下の通り。

8面までの多断面連続加工、テーパー加工、内面のR加工など、様々な研削が可能である。
ティーチング機能に加え、39種類の加工条件を記憶させることができるため、繰返し生産品の段取り替えが容易である。
最小加工径Φ1.5mmから最大加工径Φ170mmまで、様々な加工物に対応できる。
自動機でありながら、手動機感覚の研削を実現した。
自動車部品や金型、一般部品の多品種・少中量生産に適した内面研削盤である。


CNC内面研削盤 「T-11LA88
 T-11LA88型内面研削盤は、同社の主力内面研削盤であるT-11Lシリーズのセンタレス機である。今回見本市に出展する2個重ね同時加工機は、この省スペース・省エネ型でコストパフォーマンスの高いT-11LA88型内面研削盤をベースとし、ベアリングの内輪を2個重ねで同時に加工する高効率研削を実現した。

CNC内面研削盤 「T-11LA88

インとアウトのシュートをそれぞれ2列化するとともに2個のベアリングの流れを同調させる定配装置を搭載し、安定して2個同時のローディングが可能となった。
ベアリングのB溝(内輪・外面の溝)の同時2個加工、内輪・内面の同時2個加工ができるため、容易に生産量を2倍にすることができる。
同時2個加工により、加工費の半減を実現した。

(注) 日本国際工作機械見本市:
米国のシカゴショー、欧州EMOショーと並ぶ世界3大国際工作機械見本市の一つ。開催は2年に1度。
今回の日本国際工作機械見本市の統一テーマは、“Mono-Zukuri” Innovation。
トーヨーエイテックのブースNo.は東2ホールE2008。テーマは「時代のニーズに応える TOYOの高品位マシン」。