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ニュースリリース

2008/10/16

主軸往復速度が2倍、高速ストロークを実現するホーニング盤を開発
-「第24回日本国際工作機械見本市」に2つの新商品を出展-

  トーヨーエイテック株式会社(本社 広島市南区、龍田康登社長)は、来る10月30日から11月4日まで東京ビッグサイトで開催される「第24回日本国際工作機械見本市」に、省スペースかつ高性能な最新の機械を出展する。今回の展示会では「Open the Grinding Future -研削の未来を拓く-、Open the Honing Future -ホーニングの未来を拓く-」をテーマとして、新開発のCNC高速ホーニングセル「T-32N-C」と立形噴射ノズル加工機「T-180C」の2台の機械のほか、幅広い回転数で使用可能な新型高周波ホイールヘッドなども展示する。

  •  新開発の「T-32N-C」は、生産ライン短縮化に寄与する機械幅1.6mのコンパクトサイズのホーニング盤である。主軸の上下駆動用として新たにツインサーボモーターを採用することで、毎分60mの高速で駆動することが可能となり、従来機と比べて2倍の往復速度を達成している。そのため、1軸加工機でありながら2軸加工機以上の生産能力を発揮できる。さらに、剛性の高い門型構造や切込制御TFCS-II(Toyo Force Control System-II) の採用などにより、安定的に高精度加工を実現している。

     出展機は1軸加工仕様であるが、より生産効率を高めるための2軸加工仕様を始め、ATC(オートツールチェンジャー)やAPC(オートパレットチェンジャー)、搬送装置など、様々なオプションを用意している。これにより、セルマシンの連結によるトランスファーラインへの対応や、変種・変量生産への対応も可能である。日本国際工作機械見本市の開催に合わせて受注活動を開始する。

  • CNC高速ホーニングセル「T-32N-C」

  • 立形噴射ノズル加工機「T-180C」

  •  「T-180C」は、燃料噴射ノズルなどのように高精度なシート面精度や真円度が要求される小物部品の加工用として開発した立形研削盤である。内径面や外径面、端面に加えて、シート面の角度に応じた斜面加工を可能としている。機械内部に搬送用ロボットを装備しながら、幅1,200mm×高さ1,660mmのコンパクトなサイズに設計しており、省スペースと高いハンドリング性を実現している。

     主軸には新開発の動圧軸受を採用し、回転精度0.1μm以下を達成した。さらに砥石軸用として、毎分18万回転のAE(Acoustic Emission)センサー内蔵高周波ホイールヘッドを新たに開発したほか、X軸・Z軸にはリニアモーター&リニアスケールを採用するなど、高精度・高能率加工を実現している。シート面加工時には、X軸・Z軸の同時2軸制御によって任意の角度を設定できるため、多種・少量生産の際の段取りが大幅に軽減できる。また、量産加工時には、X軸をシート面の角度に合わせて傾斜させることによって、より高精度・高能率な加工も可能である。

     同機は今年9月にシカゴで開催されたIMTS2008に出展し、既に多くの引合を得ている。日本国際工作機械見本市への出展を機に、国内でも本格的に受注活動を開始する。

 ユニットとしては、エア消費量を抑えた3種類の高周波ホイールヘッドを出展する。特に、毎分6万回転・最高出力8kWの「HFD06W-50」ワイドレンジ仕様は毎分3万回転~6万回転までの幅広い範囲で使用できるため、多種・少量生産に使用する機械であっても1台のホイールヘッドだけで生産が可能となる。

 展示会会場では出展機や出展ユニットのほかに、ラインナップを充実させてきた立形内面研削盤シリーズの全体像を紹介する。今回出展する小型の「T-180C」から超大型の「T-186C-2T」までの商品群を一覧にして紹介するだけでなく、現在開発中の大型ターレット仕様機「T-183C-2S」の情報も開示する予定である。

〔出展機・出展ユニット一覧〕

出展機 新商品 CNC高速ホーニングセル「T-32N-C」
新商品 立形噴射ノズル加工機「T-180C」
出展ユニット
(高周波ホイールヘッド)
新商品 「HFD06W-50」 ワイドレンジ仕様
新商品 「HFD03-110」 省エネ仕様
新商品 「HFB0028-300」 エアレス仕様

〔出展機の概要〕

CNC高速ホーニングセル

機械寸法(幅×奥行×高さ): 1,600×4,090×3,670mm

ホーニングできる工作物最大寸法(内径×長さ): φ100×300mm

主軸ヘッド数: 1軸

主軸最高往復速度: 60m/min

主軸最高回転速度: 最大1,200 -1

■高能率

主軸の上下駆動用サーボモーターを従来の1台から2台へと増やした、ツインサーボモーター駆動方式を新たに採用。さらに、駆動部ユニットの軽量化を図るなど、主軸の高速・高追従性を実現した。これらの結果、従来のホーニング盤と比較して2倍の主軸往復速度が可能となり、従来では達成困難であった60m/minの高速ストロークを実現している。高速ストロークがもたらす効果として、「T-32N-C」は1軸加工機でありながら、2軸加工機以上の生産能力を発揮することが可能となった。

■高精度

剛性の高い門型構造に加え、コラムとベッドで主軸の上下エネルギーを効率的に分散吸収させる構造を採用した。さらに、ツインサーボモーターのガイドと主軸の位置をバランスさせ、高負荷にも耐えられるレイアウトとしている。その上で、切込軸と加工力センサーを直列に配置してセンサーの感度を高めたほか、独自の切込制御をさらに進化させたTFCS-IIを新たに開発するなど、品質の安定した高精度加工が可能となり、寸法精度のワンランク加工を実現している。

立形噴射ノズル加工機 「T-180C」

機械寸法(幅×奥行×高さ): 1,200×1,640×1,660mm

研削できる工作物最大寸法(内径): φ20mm

主軸最高回転速度: 4,000-1

砥石軸最高回転速度: 180,000-1

搬送装置: 6軸ロボット

■高精度

主軸用として新たに動圧軸受を開発し、回転精度を0.1μm以下に抑えた。砥石軸には新開発のAEセンサー内蔵高周波ホイールヘッドを搭載し、ドレス時や加工時の砥石接触検知を行うため、安定した加工精度を確保できる。また、移動軸にはX軸・Z軸ともにリニアモーターと光学式リニアスケールによるフルクローズ制御を採用することで、従来よりもさらに高精度位置決めが可能となった。これらにより、安定した高精度加工を実現している。

■高能率&フレキシビリティ

新開発のホイールヘッドは毎分18万回転の性能を有しており、高能率で加工できる。さらに、リニアモーター駆動やAEセンサーによる非加工時間の短縮などにより、従来よりもサイクルタイムの短縮が可能となった。シート面を加工するには、用途に応じて2つの方法からフレキシブルに選択できる。多種・少量生産の場合は、X軸・Z軸の高精度同時2軸制御により任意の角度で加工できるため、省段取りの加工が実現する。一方、量産加工の場合であれば、X軸をシート面角度に合わせて傾斜させることで、NCトラバース加工が可能となるため、同時2軸制御よりもさらに高精度・高能率加工が実現できる。