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ニュースリリース

2010/10/18

構造を一新した新シリーズの立形研削盤を開発
-「第25回日本国際工作機械見本市」に立形と横形の2つの新商品を出展-

  トーヨーエイテック株式会社(本社 広島市南区、社長 龍田康登)は、立形研削盤の新シリーズとなる「TVG」の第一弾「TVG-60C」と、横形内面研削盤の新型機「T-11LB」を開発。来る10月28日から東京ビッグサイトで開催される「第25回日本国際工作機械見本市」に出展し、本格的な受注を開始する。

  「TVG」は、従来の立形研削盤の構造を一新し、高精度・高能率を実現したコストパフォーマンスに優れた新シリーズの立形研削盤である。同シリーズは小型から大型までの機械をラインナップする予定であり、その第一弾として外径600mmまでの工作物を加工できる立形複合研削盤「TVG-60C-2S」を開発した。

  •  「TVG-60C-2S」は、切込軸(X軸)とテーブル軸(Z軸)とを独立させ、X軸上に主軸を配置する新構造を採用。これにより、加工負荷によるZ軸のねじれを低減し、真直度1μm/300mmの高精度加工を実現した。さらに、クーラントの排出経路をベッドの外周部に設置することでコラムの熱変形を抑え、安定した加工精度を実現している。タッチプローブ(オプション)を装備すれば、寸法精度±1μmの安定した加工が可能である。

      装備面では、剛性の高い端面クランプ方式のターレット装置を採用。ターレット装置には内径用と外径用の2つのホイールヘッドを搭載し、ワンチャックで内径、外径、端面など複合加工を実現している。さらに、オートツールチェンジャー(ATC)を標準装備したほか、オートパレットチェンジャー(APC)をオプション設定しており、長時間の無人加工運転が可能である。

      CNC装置には、内面研削盤や立形研削盤で定評のある独自開発の「TOYOMATIC-4000」に加え、新たにオプションとして「FANUC」を設定しており、お客様の使い方に合わせて選択できるようにした。

  • 立形複合研削盤 「TVG-60C-2S」

  • センタレス内面研削盤 「T-11LB88」

  •  「T-11LB88」は、ベアリングなど外径が円形の工作物に適したセンタレス内面研削盤で、ベストセラー機「T-11LA88」の後継機である。従来の機械サイズと同等でありながら、加工できる工作物の大きさと種類を拡大し多種小ロット生産にも容易に対応できるようにしたほか、機械総合剛性の向上などによりサイクルタイムの短縮を実現している。

      機械幅は従来機と同様1,700mmのコンパクトなサイズを維持。そのうえで取付できる工作物の最大外径を、従来の62mmから150mmへと大幅に拡大した。さらに、最大30°の主軸スイベル機構を新たにオプション設定しており、テーパー面でもストレート面と同様に高精度加工が可能となるなど、多種多様な工作物に対応できるようにしている。

      「T-11LB88」のベッドには、剛性の高いハニカム構造を新たに採用。高剛性リニアガイドの採用やテーブルガイドのスパン拡大などにより、機械総合剛性を高めている。これらの結果、従来よりも高負荷で研削することが可能となり、サイクルタイムを20%短縮。生産性を大幅に向上させた。

【新商品の概要】

立形複合研削盤 「TVG-60C-2S」

・据付寸法(間口×奥行×高さ):2,700×2,500×3,770mm

・研削できる工作物の最大外径:φ600mm

・研削できる工作物の最大内径:φ600mm

・研削できる工作物の最大幅: 500mm

◆真直度1μm/300mmの高精度加工

・従来はX軸上にZ軸を配置(主軸は固定、砥石軸はZ軸上)していたが、これを分離(主軸はX軸上、砥石軸はZ軸上)させることで加工負荷時のねじれやZ軸の上下動の影響を低減した。

・Z軸に高剛性リニアガイドを採用。高負荷加工時でも高い真直性を実現している。

◆寸法精度±1μmの安定した加工

・X軸とZ軸の分離構造により、X軸への負荷荷重が大幅に軽減。さらに、X軸に高剛性のリニアガイドやボールネジを採用することで、X軸の位置決め精度を向上させた。

・クーラントの排出経路をベッドの外周部に設置。これによりクーラントの熱によるコラムの熱変形を抑え、安定した加工精度を実現した。

・仕上がり前の寸法を自動測定し安定した加工精度を実現するタッチプローブを、オプションで設定した。これにより、寸法精度±1μmの安定加工が可能となる。

◆長時間の無人加工運転

・ターレット装置には、内径専用と外径専用の高出力

・高剛性ホイールヘッドを搭載した。さらに、内径用には6本の砥石を交換できるATCを標準装備。ワンチャックで複合加工や多面加工を実現する。

・複数の工作物のセッティングや脱着が行なえるAPCをオプションで用意。タッチプローブとの組み合わせで、長時間の無人加工運転でも安定した加工が可能である。

◆CNC装置の選択

・CNCには、研削に特化した対話型CNCである「TOYOMATIC-4000」を標準で装備した。

・オプションとして「FANUC」仕様を用意している。お客様の使い方に合わせ、自由に選択可能とした。

センタレス内面研削盤 「T-11LB88」

・据付寸法(間口×奥行×高さ): 1,700×1,950×1,790mm

・取付できる工作物の最大外径:φ150mm

・研削できる工作物の最大内径:φ140mm

・研削できる工作物の最大幅: 60mm

◆外径150mmまでの多種多様な工作物に対応

・構造やレイアウトの見直しにより、取付できる工作物の最大外径を従来の62mmから150mmに、研削できる工作物の最大内径を58mmから140mmに、それぞれ大幅に拡大した。

・上位機種に採用していたスイベル機構を新たにオプションで用意。主軸を最大30°まで旋回できるため、テーパー面でもオシレート研削や定電力研削(TAC研削)が可能となった。

◆サイクルタイムを20%短縮

・機械の土台となるベッドには、新たに剛性の高いハニカム構造を採用した。さらに、X軸には高剛性リニアガイドを採用したほか、Z軸のガイドスパンを拡大することで、機械総合剛性を高めた。

・機械総合剛性を高めたことで、より高負荷での研削を実現。サイクルタイムの短縮が可能となった。

◆R形状精度1μm以下の高精度

・NC3軸ドレスを新たにオプション設定した。ベアリングの溝加工など、R形状のある工作物でも形状精度1μm以下の高精度を実現している。

◆サービス性の向上

・前面開口幅を拡大し、段取替えなどの作業性を向上させた。

・可動式の電気キャビネットを新たに採用した。これにより背面からの作業が可能となり、機械本体のメンテナンス作業が容易になった。