ニュースリリース
2014/10/16
新型の横形内面研削盤と立形プロファイル研削盤を開発
-「第27回日本国際工作機械見本市」に、研削盤の3つの新商品を出展-
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トーヨーエイテック株式会社(本社:広島市南区、社長:本郷義昭)は、横形内面研削盤「THG-10C」と立形プロファイル研削盤「TVG-10PG」を新たに開発し、来る10月30日から東京ビッグサイトで開催される「第27回日本国際工作機械見本市」に出展します。同展示会では、「The Next Grinding Solution ~限りない精度へのこだわり~」をテーマに掲げ、今月より発売を開始した新型歯車研削盤「TGG-26-2W」や、研削盤の要素技術であるホイールヘッドなどもあわせて展示します。
新開発の「THG-10C」は小型の横形内面研削盤で、量産用全自動加工機として定評のある「T-11L」の後継機として、より高精度・高能率加工を実現したうえで変種・変量生産にも対応できるモデルです。
従来よりもコンパクトなサイズとし、クランプ時にワークが歪むのを抑える新開発のチャックを搭載したほか、最大回転速度3,000min-1の高速ワーク主軸や高分解能サーボモーター、新開発のシングルアームローダーなどを採用、より高精度で生産性の高い加工を実現しました。さらに、生産ラインのレイアウトを容易にするため、前後工程とつなぐそれぞれのコンベアを一直線上に配置しています。また、ワーク変更時の段取り替部品数を3割以上削減するなど、段取り替時間を大幅に短縮。変種・変量生産にもフレキシブルに対応できます
THG-10Cの対話型CNC制御装置TOYOMATICには、新たに開発した機能を加えました。研削条件を自動で設定したり加工精度を調整したりできる「研削ナビ」機能や、加工中に次のワークの加工条件を設定することができる「オフライン編集」機能、トラブル発生時の対応が容易な「リモートメンテナンス」機能を装備しています。これにより、お客様が簡単に加工条件を決められるほか、段取り替時もスムーズに作業が行えます。
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立形プロファイル研削盤「TVG-10PG」は、カムリングなどの非真円形状の部品を加工する「T-182PG」の後継機として開発しました。立形研削盤TVGシリーズで定評のある、切込軸(X軸)とテーブル軸(Z軸)とを独立させたうえで、X軸上にワーク主軸を配置する構造を採用しています。これにより、加工負荷によるZ軸のねじれの低減による高精度加工と、間口1,300mmのコンパクトなサイズを実現しています。
X軸にはリニアモーターを採用し、従来比2.5倍の加速度2Gを達成するとともに、ワーク主軸の回転に対する追従性を高めました。さらに、ワーク主軸には高トルクのダイレクトドライブモーターを搭載し、加工時の回転速度を従来の3倍にアップしています。砥石軸には従来の2倍となる最高回転速度60,000min-1のホイールヘッドを採用。これらに加え、独自開発の各種補正制御により、プロファイル精度10μm以内の高精度加工と、高速研削によるサイクルタイムの大幅な短縮を実現します。
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今回の第27回日本国際工作機械見本市で展示会初出展となる「TGG-26-2W」は、JIS1級の精度の歯車を高能率で生産する歯車研削盤です。独自に開発した歯面修整機能を新たに搭載し、初めて加工する歯車であっても、お客様が求める歯面形状に容易に修整することができるため、高精度の歯車を短期間で生産開始することが可能です。さらに、2ワークヘッドの採用により非加工時間を大幅に短縮できるため、量産加工に最適なモデルです。
そのほかにも、立形複合研削盤TVGシリーズにラインアップされる高剛性・高能率のホイールヘッドや、THG-10Cに搭載されている対話型CNC制御装置なども展示する予定です。
〔新商品の概要〕
【横形内面研削盤 「THG-10C」】
据付寸法(間口×奥行×高さ): 2,390×2,110×1,980mm
研削できる工作物の最大内径:φ100mm
チャックできる工作物の最大外径:φ200mm
チャックできる工作物の最大幅: 80mm
高精度加工
テーブルのガイドスパン拡大により、機械剛性を向上させました。
ベッドの上にクーラントパンを新たに設け、クーラントによるベッドの熱変形を抑えています。
クランプ歪を抑える新型チャックを開発し、搭載しました。これまではチャックの抱き爪と引き爪を同一制御していたものを、独立して制御できる構造に変更。それぞれのワークにあわせて抱き爪と引き爪のクランプ力を自由に制御できるようになるため、クランプ時のワーク変形(クランプ歪)を最小限に抑えることが可能になりました。
最大回転速度3,000min-1の高速ワーク主軸と、最大回転速度60,000min-1のホイールヘッドを採用。高周速研削により、高精度加工を実現しています。
X軸とZ軸に高分解能サーボモーターを採用しました。これにより、2軸補間の加工精度を向上させました。
高生産性
高周速研削の実現に伴い金属除去速度も大幅にアップし、サイクルタイムを短縮できます。
従来のダブルアームローダーから新開発のシングルアームローダーに変更。アームの待機位置を最適に設定でき、ローディング時のアームの移動距離を最小化するため、ローディング時間を大幅に短縮します。
前後工程とつなぐそれぞれのコンベアのレイアウトを一新し、同一ラインになるようにしました。自動化や前後工程との連結が容易になり、お客様が生産ラインを設計する際の自由度が向上します。
変種・変量生産にはチャックやツーリング、搬送装置などの段取り替作業が伴います。THG-10Cでは、それらの部品構成を見直し、ワーク変更時の段取り替部品数を3割以上削減しました。段取り替しやすいレイアウトの採用も含め、段取り替時間を大幅に短縮しました。
【立形プロファイル研削盤 「TVG-10PG」】
据付寸法(間口×奥行×高さ): 1,300×2,400×2,200mm
研削できる工作物の最大内径:φ80mm
チャックできる工作物の最大外径:φ100mm
チャックできる工作物の最大幅: 50mm
高精度加工
クーラントの排出経路をベッドの外周部に設置することでコラムの熱変形を抑え、安定した加工精度を実現します。
X軸上にZ軸を配置(ワーク主軸は固定、砥石軸はZ軸上)する構造から、これを分離(ワーク主軸はX軸上、砥石軸はZ軸上)させる構造を採用することで、加工負荷時のねじれやZ軸の上下動の影響を低減しています。
Z軸に高剛性リニアガイドを採用し、高負荷加工時でも高い真直性を実現しています。
ワーク主軸の高速化を図り、加工時の回転速度を従来比3倍にアップ。X軸にはリニアモーターを採用し、加速度2Gを達成するとともに、ワーク主軸の回転に対する追従性を高めました。
砥石軸には最高回転速度60,000min-1のホイールヘッドを採用。ワーク主軸の高速化とあわせて高周速研削が可能となり、高精度加工を実現しています。
これらにより、安定してプロファイル精度10μm以内の高精度加工を実現します。
高生産性
高周速研削の実現に伴い金属除去速度も大幅にアップし、サイクルタイムを短縮できます。
X軸加速度2Gの実現により、非削時間と研削時間の短縮を実現しています。